【車椅子ライターのペット論③】障害を持ってから困ったこと・試したこと
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車椅子の飼い主と愛犬達
こんにちは。
&PETライターのmaiです。
以前の記事でも自己紹介をさせていただいた通り、私は現在車椅子で生活をしています。
車椅子生活を機に仕事は在宅でできるお仕事に切り替えたこと、実家に帰ってきたことで犬達と一緒にいる時間が増えました。
私については以前の記事でも自己紹介をさせていただいたので、今回は愛犬達を軽くご紹介しますね。
まず、ずっと実家で暮らしていたのがラブラドールとビーグル系ミックスのマックス(♂)です。
大学入学を機に実家を離れてしまったのでなかなか会う機会が少なくなってしまっていたのですが、実家に帰ってきて毎日一緒に過ごせることに私は今とても幸せを感じています。
かなりの高齢ということで最近は寝ている時間も増えてきましたが、まだまだ食欲も衰えず、散歩も大好きで毎日2回連れて行ってもらっています。
もう一匹がシェットランドシープドッグのらん(♀)です。
らんは一人暮らしの時にお迎えをしたのでずっと一緒に暮らしていましたが、家で仕事をするようになってお留守番の時間が減ったのはお互いにとってよかったと思います。
マックスよりは年下ですが、らんもシニアの年齢です。
どちらも高齢なのに健康診断では毎回異常なし、獣医さんに「シニアで両方とも健康なのはすごいですね!」とお墨付きをいただけているのがちょっと自慢です。
こんな感じで毎日愛犬達と幸せな毎日を送っていますが、車椅子ではできない犬の世話や病気になった場合のことなど、不安も絶えませんし家族の協力も欠かせません。
車椅子で犬を飼うということは簡単なことではないかもしれません。
しかし、やはり一度家族になったからには、車椅子だからといって手放すことはできないのです。
今回は車椅子ユーザーと犬の暮らしぶりがどんなものか、工夫していることなどをご紹介します。
犬にとって車椅子とは?
私は犬を飼ってから車椅子生活になったので、犬達は子犬の頃から車椅子に慣れ親しんでいるわけではありません。
ですので、最初は車椅子に犬達は戸惑うのではないかと不安でした。
吠えられたり避けられたりを覚悟していましたが、実際は本当に何もありませんでした。
この時私は改めて犬に差別や偏見といったものは全くないのだと思ったのでした。
ただ、やはり車椅子に慣れていないので車椅子が急に止まれないことや、方向転換が歩くよりも難しいことなどは分からないため、度々進路妨害をされたり足を踏みそうになってしまったりすることはあります。
しかし、人間の家族もつい通路にスリッパや物を置きっぱなしにして度々進路をふさがれるので、そのことに関しては特になんとも思いません。
そんな平和なペットライフを送っている私ですが、車椅子と犬との生活で、一つだけ困っていることがあります。
それは人間が食べているものを欲しがる時に、健常者のようにうまくかわせないこと。
基本的に人間の食べ物はあまり与えませんが、室内犬にとって人間の食事は気になって仕方のないもの。
犬が欲しがる時、健常者ならスッと立ち上がって犬から離れた場所に移動することができませんが、車椅子だとなかなかそうはいきません。
特にチーズなど、犬が大好きな匂いがするものを食べていると車椅子を囲んでくるので、心を鬼にして「あげないようにする」のが結構大変なのです。
車椅子のためのバリアフリー住宅はペットにも優しかった!?
私は車椅子になったことをきっかけに実家に戻ってきました。
実家は古い一戸建なので、そのままでは生活するのが大変なため、使い勝手の悪いところを少しずつバリアフリー仕様にしたり、家族に手伝ってもらったりして生活をしています。
主な改修は玄関周りと水回り。
玄関にはスロープを設置し、水回りはお風呂の段差をなくして手すりを設置、トイレは手すりを設置しました。
その他古い建物なので、ドアの部分に段差があるため小さなスロープのようなもので対応しています。
車椅子のために玄関にスロープを設置しましたが、このスロープはシニアの愛犬達も散歩に行く際に足取りが軽いような気がします。
今までは芝生に石が置いてあるようなアプローチだったので、犬にとってはスロープの方が負担が少ないのかもしれません。
また、お風呂の段差を解消するのに断熱材を敷いています。
これは家族がお風呂に入る際にも足元がひんやりしないのはもちろん、犬をシャンプーする時にも犬達に優しい仕様になったと思います。
このように、体の不自由な方のためのバリアフリーな家づくり、ペットに優しい家づくりには共通点は多いように思います。
ちなみに、介護ベッド(電動ベッド)も犬達のお気に入りの場所です。
手すりが落下防止になりますし、高さを低く設定すれば万が一犬が落下しても安心です。
障害があるとペットの世話は完璧にはこなせない
私は実家で生活をしているので、散歩やシャンプーなどの犬の世話は主に家族が行なっています。
しかし、やっぱりやってあげたいと思うのが飼い主心。
家族がいない時に万が一犬達が急病になってしまっても、私一人で病院に連れていけないというのもものすごく不安です。
やはり、体が不自由だと犬の世話を完璧にこなすことはできません。
しかし、ちょっとした工夫でできる世話を増やすことはできるかもしれません。
私は以前にホームセンターのペットショップにあるセルフシャンプーコーナーをよく利用していたのですが、そこは人間の腰の高さくらいの場所に犬のシャワーができるスペースになっているので、楽に犬をシャンプーすることができます。
このような本格的なトリミングルームでなくても、犬を洗えるスロップシンクのようなものを設置すれば、洗うことも可能になるかもしれません。
玄関周りを整備すれば、散歩に行くことも可能になるかもしれませんし、台所に車椅子でアプローチできるようにすれば愛犬のために手作りごはんを振る舞うこともできるようになります。
もしものために、動物病院やペットシッターとの連携が取りやすい環境だとさらに安心です。
体が不自由だとペットの世話を完璧にこなすことはできません、しかし知恵と工夫次第でできることは増やせると思っています。
最近人間と犬の間の絆は科学的にも証明されてきています。
体が不自由になるとどうしても心が塞ぎ込みがちになってしまうこともありますが、犬がいるとそんな心にそっと寄り添ってくれるかもしれません。
著者情報
maitoran(堀江麻衣)
不動産分野全般に執筆実績と関心のあるフリーライター。
2014年に中途で障害を持ち、以来「日々の暮らしの”不便”を”便利”に変える」をモットーに、家づくりについて研究中。
日々、住まいを改造・改築しながら、快適な家づくりを目指している。
趣味:スケート観戦、ハンドメイド(羊毛フェルトでなんでも作る)、間取り図を見ること、旅行。
2匹の犬と暮らして溺愛中。
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